再生医療技術CAL・培養CAL|再生医療技術CAL・培養CALによる乳房再建なら横浜のクリニック

再生医療技術 CAL・培養CAL
REGENERATIVE MEDICINE TECHNOLOGY CAL / CULTURE CAL

再生医療技術「CAL」について CAL

CALは、患者さまご自身の脂肪に脂肪由来幹細胞を加えて注入する再生医療による治療法です。
正式にはCAL(Cell-Assisted Lipotransfer:幹細胞付加移植術)組織増大術といいます。
みなさまは、再生医療と聞くと、未知なる治療法と想像するかもしれませんが、CALは、新しい治療方法を始める際に行う臨床試験を行い、その安全性と有効性を確認した治療方法です。

形成外科の分野では古くから、体のさまざまな部位の形を整えるために、脂肪の移植が行われてきました。
1980年代頃からは脂肪吸引技術の発達もあり、吸引した脂肪を用いて、例えば豊胸術などにも吸引脂肪は盛んに用いられました。
しかし当時から、吸引した脂肪を患部に注入しても、生着率が低いことが問題視されていました。注入してもその部位がしぼんでボリューム不足になったり、あるいは脂肪が全く生着しない、合併症が起こりやすいなどのトラブルが多くあったため、一時、乳房への脂肪注入術は敬遠された時期がありました。

その後、東京大学医学部形成外科学教室の吉村浩太郎講師(現:自治医科大学形成外科教授)らのグループによって、「吸引した脂肪組織には『幹細胞』が不十分な数しか含まれていない」ことが明らかになりました。
脂肪は細い管を通して吸引しますが、そのときに脂肪細胞が壊れたり、幹細胞が減ったりするため、そのままでは注入移植した脂肪細胞の多くが死んでしまうのです。
吉村医師らはさらに研究を重ねた結果、注入移植する脂肪に「幹細胞」を追加しておくと、新しい脂肪細胞を生み出して補充してくれることを明らかにしました。
これが再生医療技術CALです。
この技術は、東京大学医学部附属病院で臨床研究が行われ、臨床研究で最も重要視される安全性について問題ないことが確認され、2006年より当院セルポートクリニック横浜でその治療提供が開始されました。(以上、書籍「もっと願いをかなえる乳房再建」辻直子著/現代書林より引用」)

再生医療技術「CAL」について
(1)患者様より吸引した脂肪を2つに分けます。
(2)片方の脂肪から幹細胞を抽出し、もう片方の注入用脂肪に混合します。
(3)幹細胞の濃度を高めた脂肪を患者様に注入します。

脂肪注入術・CALのメリット

  • 大きな傷が新しくできない
  • 短い入院期間(1泊または日帰り)
  • 柔らかく温かい、自然な仕上がりの乳房ができる
  • 流動性ある脂肪を注入するため、細かい部分的な再建が可能(他院で乳房再建された方も対象)

生着率を向上させるための手術方法

脂肪の生着率を高めるために、私たちのCALでは注入する脂肪に脂肪幹細胞を加えます。しかし、それ以外にも生着率を高めるポイントがあります。
1997年にDr. Sydney R. Colemanが発表したLipoStructureでは、まず脂肪を丁寧に吸引した上で、遠心処理によって余分な血液、テュメセント液※を除去すること、注入時には少量ずつ脂肪を注入して移植することに言及しており、これは現在の脂肪注入法の基礎となり、Coleman technique(コールマン法)と言われています。
また、脂肪を少量ずつ注入しても、1箇所に集中して注入すれば、それは大量の脂肪を注入していることと変わりません。
注入脂肪がなるべく分散するように様々な方向から幾層にも分けて注入することが生着率の向上につながります。

※テュメセント液:脂肪の吸引にあたり、脂肪吸引する患部に注入する薬液で、組織を膨張させて採取しやすくする一方で、血管を収縮させて出血を抑制する効果があります。

当院では、2006年の開院から前述のコールマン法に則り、丁寧に脂肪を吸引、遠心処理によって余分な血液、テュメセント液ならびに油分(死活・老化細胞)を分離して除去し、当院独自に開発した回転式注入器(特許保有)で少量ずつ、多方向から丁寧に注入していく手技を行っております。
当院では上記の手術法を行うにあたっては、専用の機器の使用などを含めて、オプションなど追加費用をご請求しておりません。(以上、書籍「乳房再建ハンドブック 基本からCALまで」辻直子著/克誠堂出版より引用または参考のうえ作成)

放射線照射後の組織を改善する効果

乳房温存術は通常、手術後の放射線照射治療がセットになっていますので、たいていの場合、乳房の傷とその周りは固く萎縮した状態になっています。
皮膚の色も、茶色に変色してしまっていることもあります。この変化は放射線の影響で起こり、長い間残るものですが、CALではそこに脂肪と幹細胞を補充することでこれらの変化からの回復を促す効果が期待できます。
固かった部分が柔らかくなったり、皮膚の色が改善したりする方も多くいらっしゃいます。
乳房温存後で変形の程度が強い場合や、傷跡が非常に固い、癒着が強い場合などは一度のCALでは完全に変形が修正できないことがあります。
それでも1回目のCALで生着した脂肪とその幹細胞の効果で注入部分の状態は改善していますので、一定の時間をあけてCALを行うと、より健側の乳房に近づけることができます。
変形の中でも引きつれが強い場合は同時に瘢痕修正などを組み合わせた治療も可能です。(以上、書籍「もっと願いをかなえる乳房再建」辻直子著/現代書林より引用」)

再生医療技術 CAL・培養CALによる治療など

再生医療技術「培養CAL」について CULTURE CAL

従来からのCALによる治療は、患者さまから吸引した脂肪の一部を、幹細胞を取り出す脂肪として使用しなければなりません。
脂肪を吸引する処置は、それだけ患者さまの体に侵襲し、負担をかけることになります。
また痩せ型の体形の方からは吸引脂肪が確保しづらく、本当は再建用に注入したい脂肪を幹細胞抽出用の脂肪に回さなければなりません。
培養CAL法の研究は、脂肪吸引による患者さまの体の負担を軽減し、吸引脂肪を効率的に再建や組織増大に使用できることを目的に開始されました。

2015年~2019年の間、当院セルポートクリニック横浜では患者さまご自身の脂肪由来幹細胞を培養して使用する培養CAL法に関する臨床研究を行い、安全性ならびに有効性を確認し、2020年より培養CAL法による治療提供を開始しております。

現在では、患者さまから小豆大程度の脂肪片を採取し、その脂肪片から必要な幹細胞を培養する技術を確立し、培養CAL法として治療導入しております。

再生医療技術「培養CAL」について
(1)患者様から少量(小豆大程度)の脂肪を採取します。
(2)脂肪より幹細胞を抽出し、培養して幹細胞を増やします。
(3)患者様から注入用の脂肪を吸引し、培養した幹細胞を混合します。
(4)幹細胞の濃度を高めた脂肪を患者様に注入します。

培養CALのメリット

  • 体脂肪の少ない患者様でもCALの乳房再建が可能
  • 脂肪吸引量が減り、身体的な負担が減る
  • 脂肪注入手術当日の手術時間が短くなる

再生医療技術 CAL・培養CALによる治療など