乳がんについて

0120-360-489 土日祝診療 木曜休診

診療時間:10:00~18:00 電話受付:10:00~18:00

乳がんについて

乳がんについて

乳がんとは

そもそもがんは、細胞の核の中にある遺伝子(DNA)が傷つくことによっておこる病気で、乳がんは乳房の中にある乳腺に発生するがんです。


日本人女性にとっての乳がん

・最も発症率の高いがん
・16人に1人が罹患
・50歳代が最も罹患者数の多い年代(最近では30代での罹患も珍しくない)

また、近年では乳がんは全身病と捉える考え方が広がってきており、乳がんは手術の他、薬物療法などの治療と組み合わせて徹底してがんを根絶する必要があります。それが、乳がんの再発、転移を防ぎ、生存率を高めるために不可欠なのです。
乳がんは一部を除き、進行が遅い性質のがんであるため、あせらず時間をかけて乳がんについて十分な説明を受け、病気や治療法について知り、たくさんの治療法の中からご自身にとって最善の治療法を選択しましょう。

検診・診断

乳がんを自分で発見するきっかけの多くはしこりの自覚ですが、できれば触れるほど大きくなる前に発見したいものです。

・乳がんの早期発見のためには定期健診が重要
・日本の乳がん検診の受診率は約30%と低い
・早期発見で治療すれば80~90%以上の割合で治癒


乳がん検診の流れ

乳がん検診の流れ

①視診や触診の他、マンモグラフィと乳房超音波検査
②疑わしい部分が見つかった場合は、病理組織検査※1を行って確定診断
③乳がんと診断された場合は続いてMRI、CT、腹部超音波などを検査
④がんの進行度や、非浸潤がん※2なのか、浸潤がん※3なのか、腋窩リンパ節転移の有無を診断

最適な治療方針を決めるためにこれらの診断は必要不可欠です。
これらの情報は、治療を進めながらわかってくる場合もあります。また、糖尿病などの合併症の有無や、年齢などからみた全身状態、ご自身のライフスタイルなど把握してその後の治療方針を決定していきます。
乳がんについてもっと関心を持ち、日ごろから自己検診や定期検診を心がけましょう。

※1病理組織検査:病変部の組織片を採取して、診断する検査です。がんの最終的な確定診断のために重要な検査です。
※2がん細胞が周囲の組織に浸潤していない
※3がん細胞が周囲の組織に浸潤している

治療

乳がんの治療は大きく局所治療と全身治療に分けることができます。

がんの進行度(ステージ)に合わせて

①手術(局所治療)
②薬物療法(全身治療)
③放射線治療(局所治療)

これらを組み合わせた集学的な治療を行います。

治療


①手術(局所治療)

早期乳がんの場合は手術で病巣を切除しますが、がんの大きさや広がりにより必ずしも乳房全体を切除しなければならないわけではありません。基本的にはがんの大きさが3cm以下の場合は、がんを含めた乳房の一部を切除することによって乳房の形を極端に損なわないようにする乳房温存術、それ以上の場合や乳頭部分までがんが進展している場合は乳房切除(全摘)術を行います。
乳がんは腋窩リンパ節に転移することが最も多く、転移が明らかな場合は腋窩郭清(腋のリンパ節を周囲の脂肪ごと切除)を行い、そうでない場合はセンチネルリンパ節生検(最初に転移するはずの見張りリンパ節だけを生検)を行って転移の有無を確認することで腋窩リンパ節郭清が必要かどうかを判断し、転移がなければ腋窩郭清は省略することもあります。


②薬物療法(全身治療)

乳がんの薬物治療は抗がん剤による化学療法、ホルモン療法、分子標的薬(ハーセプチン)による分子標的療法の3つに大きく分かれます。転移・再発を防ぐ目的で行われ、手術前に抗がん剤治療を行うことで、しこりが小さくなり、乳房温存術を選択できる可能性が有ります。しかし、これらが効果的ながんと効果がないがんがあるため、個々のがんの性質やその副作用なども考え合わせて必要な治療を選択し、手術前、手術後に組み合わせて行います。


③放射線治療(局所治療)

放射線治療は、照射部位のみを治療する局所治療です。正常な細胞に比べがん細胞が放射線に弱い性質を利用しており、量や範囲を的確に設定すれば、正常な細胞を傷つけずにがん細胞だけを殺すことが可能です。そして乳がんは放射線治療が効きやすいがんの1つです。
通常は乳房温存手術を行った後、残った乳腺組織に放射性照射を行います。これにより乳房内再発率を低下させることができます。また放射線照射は進行・再発乳がんや骨・脳転移の症状緩和にも行われます。


乳がんでは手術で完全にがんが取りきれたと思われても、乳房温存手術後の乳房や、乳房切除術後の胸壁の皮膚やリンパ節に再発する場合(局所再発)と、小さながん細胞が血液やリンパの流れに乗り、体内の他の場所で再発する場合(遠隔転移)があります。
がんが転移してしまった場合、手術や放射線療法のような局所的な治療だけで治すことはできません。全身的な治療をあわせて行っていくことが重要となります。
どの治療を選択するか、その順番は個々により異なりますので乳腺外科の医師と納得いくまで話しあいましょう。

術後

乳がん手術後、一番不安に思うことは再発です。手術後の定期検診は乳がんの再発と新たな乳がんの早期発見を目的としています。再発を早期で見つけることにより、適切な治療に結びつくので、定期的に医師の診察と検診を受けるようにしましょう。

手術後は、乳房の無い喪失感や、変形、左右のバランスをとるための乳房パッドが必要となる場合があるなど、生活に不自由さを感じる人も多くいます。
このような女性にとって心と体の大きな悩みは、乳房再建を行うことによって改善する場合があります。乳房再建とは失ってしまった乳房を手術によって取り戻す技術で、綺麗な乳房を取り戻したいという願いを支えるための手術です。ここからは乳房再建について詳しくお話をします。

乳房再建

乳房再建とは、乳がんの手術で乳房を失ってしまったり、または変形が残ったりした場合、なるべく元の状態に近づけるための技術です。乳房再建には年齢制限がありませんので、60代、70代の方でも行うことが可能です。さらに乳房を再建することで再発が増えたり、再発の診断に影響したりすることはありません。乳房再建を行うと決めたら、医師からの説明を受け、理解したうえで「いつ」「どの方法で」再建するかっじっくりと考えて選択ししょう。

乳房再建のタイミング

乳房再建は行うタイミングを選択することができます。切除と同時に開始すること(一次再建)も可能ですが、同施設での再建でない場合は切除後に間をあけて行うこと(二次再建)も可能です。いずれの方法も最終的な形になるまで半年から1年はかかり、また小修正が必要になることもあります。乳頭と乳輪は、再建後の乳房が落ち着き、傷が治ってから形成することが可能です。

乳房再建の方法

乳房再建の代表的な方法は大きく分けて「自家組織再建」と「乳房インプラント再建」の方法があり、当院で行っている「CAL組織増大術」は第3の再建術として近年非常に注目されています。CAL組織増大術についてはこちらで詳しく説明しております。どの方法を選ぶかは乳がん手術の種類、乳房の大きさ、ご自身の希望や社会的な背景なども考慮して決定します。


①自家組織再建(皮弁法)

ご自身の腹部や背中の組織の一部を胸に移植して乳房を作る自家組織再建(皮弁法)には以下の特長があります。

・柔らかい乳房が再建できる
・健側の乳房と同じように年齢や体形変化の影響を受け、時間経過による左右差が生じにくい

しかし、背中や腹部の組織を移植するため、乳房以外にも傷ができてしまいます。また、筋肉や神経を丁寧に分けて温存する作業が必要なため手術時間が長くなり、通常2~3週間の入院に加えて回復期間も2~3ヶ月が必要です。


②乳房インプラント再建

人工の乳房インプラントを用いて乳房を作る乳房インプラント再建には以下の特長があります。

・乳がん手術の時にできた傷を利用して再建を行うので、新たに傷ができない
・術時間が短いため、身体への負担は小さく、日帰りが可能な医療施設もある

しかし自分の乳房に比べるとやや硬い感触で、加齢とともに左右の乳房の形に違いが出てくる場合があります。次に乳房切除(全摘)術と乳房温存術それぞれの乳房再建について説明します。

乳房切除(全摘)術後の再建

乳房切除(全摘)術後の再建


乳房切除(全摘)術後の再建は、自家組織再建と、乳房インプラント再建のどちらかを選択することになりますが、その前に、自家組織もしくは乳房インプラントを入れるスペースの確保のためにティッシュエキスパンダー(組織拡張器、風船のようなもの)を入れて皮膚を伸ばしておきます。十分に皮膚の余裕ができたところで、最終的な中身に入れ替えます。自家組織再建の場合は、エキスパンダーを使用しない場合もあります。

当院のCAL法では、シリコンインプラントとCALの併用で乳房インプラント再建でありながら自然な感触を実現できますし、人工物は避けたい方のためには複数回のCALを行うことですべてご自身の脂肪で乳房を再建する方法も行っております。いずれの場合もエキスパンダー挿入ののちにCAL法を行います。

温存術後の再建

温存術後の再建


温存術後の再建は、一般的には背中の組織を移植するなどの自家組織再建が行われていますが、放射線治療後の副作用で皮膚が弱くなったり、伸びが悪くなったりすることがあるため、自家組織再建を行っても変形が残ってしまう場合もあります。

当院のCAL法では幹細胞の作用により皮膚の状態の改善も望めることから、放射線治療後も整容的な再建が可能です。また、欠損に応じて部分的に少量ずつ脂肪を注入するため、微妙な変形にも対応し、大きな傷を残さずに自然な形状の乳房の再建を行うことができます。

最後に

乳がんの術後は喪失感や再発の不安などでつらい気持ちになってしまうものです。
乳房再建を行って乳房を取り戻すことで、見た目だけでなく、気持ちまで積極的になり、患者の皆様のQOL(生活の質)の向上が期待できます。
時には複数回の手術が必要ですが、少しでも負担の少ない方法できれいな乳房を取り戻し、前向きに人生を楽しんでいただきたい。そう思って私たちは真剣に治療に取り組んでいます。

土日祝診療 木曜休診 0120-360-489 診療時間 10:00~18:00 / 電話受付10:00~18:00